明菜、連ドラ主演でスランプ脱出?

中森明菜

 自殺未遂騒動やマネジャーとの熱愛などスキャンダル続きの歌手、中森明菜(32)=写真=が、久々に芸能界の一線に返り咲いた。来年スタートの連続ドラマに主演するという大役を射止めたのだ。明菜の連ドラ主演は五年ぶりとあって、2日午後、都内のホテルで行われた制作発表には200人の報道陣が殺到、明菜への関心の高さを改めて見せつけた。長くスランプ状態にあった明菜だが、ドラマをきっかけに再起を果たせるか−。

 明菜が主演する連ドラは日本テレビ系「冷たい月」(1月12日スタート、午後10時〜)。「正月気分も吹き飛ぶこわいラブストーリー」という謳い文句通り明菜は嫉妬と復讐に燃える激しい女を演じる。

 夫はニュースキャスターで自分も妊娠中という幸せ絶頂の女医(明菜)が、夫のひき逃げ事件をきっかけに病院を解雇され、流産、夫も自殺と不幸のどん底に落ちる。そして夫のひき逃げを警察に通報した美咲(永作博美)を地獄に落とすため報復を始める…。

 この日、東京・赤坂プリスンスホテルで行われた制作発表で、明菜は「何でこんな不幸な目にあわなければならないのか、という経験はだれにもある。私もたくさんありすぎて…」と目を伏せた。この言葉通り、明菜の私生活は近藤真彦(33)との悲恋や二度の自殺未遂騒動という不幸に見舞われるなどご難続き。

 そんな明菜をこのドラマに起用した理由もまさにここにある。月曜午後10時には30%近い視聴率を稼ぐ人気番組「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)が控えている。制作の読売テレビ関係者は「平均点をやっていたのでは対抗できない。企画もさることながら明菜さんの演技力で視聴率をもぎとりたい。明菜さん自身も今回は気合十分」と主人公と明菜を重ねて見ていることを打ち明ける。

 明菜といえば、酒に酔って東京・六本木や麻布を徘徊する姿を目撃されたり、そのわがままぶりから音楽関係者にソッポを向かれているという噂でしか最近は話題に上らなかった。それでも、今回の連ドラではいつになく真剣なようで、「ディレクターの注文にも笑顔で応じ時間もきっちり守る。周囲はほっとしてますよ」(番組スタッフ)。

 収録は、通常より2、3週間早い11月24日にクランクイン。12月5日から26日まで全国11カ所で予定されている明菜の年末ディナーショーに配慮したためだ。明菜は9年ぶりの全国ツアー中だった今年5月のステージで、声が途切れたり歌詞を間違えたりとハプニングの連続で、一時は歌手生命も危ぶまれたが、ディナーショーはなぜか盛況という。

 「一人3万8000円の第1部、2万8000円の第2部とも各500席完売。反響が大きく、当初450席だったのを急きょ50席追加したほど」(5日、旭川グランドホテル)、「一人4万2000円で700席を用意し、第2部は多少残っていますが、第1部はほぼ完売」(26日、ホテルニューオータニ)

 ウキウキした気持ちはつい表に出るもので、明菜は「クロレラとか飲んで栄養つけて頑張ります。風邪はバカなのでひかないんですよ」と笑わせる一幕もあったほど。
 ただ、心配の種もある。

 「明菜は所属のレコード会社・ユニバーサルビクターとの契約が最近、切れ、ドラマ主題歌の『帰省』もまだ発売元が決まっていない状態。引き受け手が現れるか気になります」(業界関係者)
 ともあれ、明菜にとって今回のドラマは今後のタレント生命を賭けた正念場となりそうだ。