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(1)作者 (2)制作年代、<展示会の構成コーナー>
明記のない場合は興福寺所蔵

<興福寺 鎌倉復興期の尊像>

国宝 世親菩薩立像」 像高 191.6cm
(1)運慶
(2)1212(建暦2)年頃
運慶一門による鎌倉期を代表する肖像彫刻であり、日本彫刻史に残る最高傑作としても知られる。
無著、世親は4〜5世紀ころ、北インドで法相教学を確立した兄弟僧。

老年の兄無著の姿とは対照的に、壮年の姿で表現されている。
両像の確固とした安定感とダイナミックな立体構成は、奈良・円成寺大日如来坐像
(1176年)以来の運慶独自のものである。北円堂本尊台座銘から、実際の両像の制作は子息が担当したと推測されるが、運慶が力強い指導力で造像全般を統率したことが作品の造形を通じてよく理解できる。


国宝 無著菩薩立像」 像高 194.7cm
(1)運慶
(2)1212(建暦2)年頃

無著(インド名アサンガ)は4世紀に北インド・ガンダーラで生まれた学僧で、弟世親(インド名ヴァスバンドウ)とともに法相教学の基礎となる重要な論著を残した祖師である。
遠く時空を隔てた伝説的な高僧のイメージを、モデルの存在を思わせる克明で具体的な写実表現を通して、日本人に置き換えてわかりやすく表した。

国宝 薬師如来像頭部」 総高 98.3cm
(1)?
(2)白鳳時代、685(天武14)年

もとは飛鳥の山田寺講堂にあった丈六薬師如来像の頭部。1187(文治3)年に再建されていた興福寺東金堂に移されて本尊となったが、1411(応永18)年の火災で体部以下を失った。東金堂の本尊像の台座内に納められていたが、1937(昭和12)年に発見された。単純化された曲線と曲面で構成されて、朗らかな表情を浮かべる白鳳時代の代表作。

国宝 金剛力士立像 吽形」 像高 153.7cm
(1)?
(2)鎌倉時代、12〜13世紀

口を開く阿形と一対になる仁王像のひとつで、西金堂に安置されていた。
肋骨から首筋が強調され、両手の動きから生じる動勢が腰、脚から裳裾まで伝わる。むき出すような玉眼と骨格、筋肉、血管などの写実的にして劇的な表現と相まって、気迫に満ちた忿怒相となった。

国宝 天燈鬼立像」 像高 78.2cm
(1)康弁
(2)鎌倉時代、1215(建保3)年

四天王の足元に踏みつけられる邪鬼を独立させて、鬼形が仏前に灯を捧げるという斬新な発想による像で、龍燈鬼立像と対をなす。元来は西金堂に安置されており、運慶の子息康弁が制作した。左足を軸足として腰をひねって燈籠を持ち上げる姿は迫真の筋骨表現を見せる。



国宝 文殊菩薩坐像」 像高 94.0cm
(1)?
(2)鎌倉時代、12世紀

東金堂安置の像で、病気の維摩を見舞う文殊菩薩を表す。台座には維摩居士坐像と同じく獅子が表される。若々しい相貌、丸みを帯びた張りのある体つき、端正で細やかな衣や甲の表現、円を貴重とした荘厳具の形式など、維摩居士坐像との対照が意識されている。同じ作者・定慶によって同時期に一対の像として構成、制作されたと推定される。


国宝 十二神将立像のうち 迷企羅大将・酉」 像高 126.3cm
(1)?
(2)1207(建永2)年

東金堂所在の十二神将のうちの1躯で、本尊・薬師如来像の周囲に安置される。平安時代以降は十二支と結びついて方位や時刻を守護する役割も担い、頭上に十二支の動物を頂く作例も多い。本像の頭には酉が載っている。自由な身のこなしや変化に飛んだ表情から、制作には定慶はじめ複数の仏師が関わったと推測される。


国宝 法相六祖坐像のうち 伝行賀」 像高 74.8cm
(1)康慶
(2)1189(文治5)年
南円堂本尊の不空羂索観音像の背後に安置されていた坐像で、法相宗の高徳6人の肖像彫刻の
行賀は752年に入唐し、約30年にわたり法相教学を学んだ僧である。

南円堂創建当初に安置されていた像を康慶一門が再興した諸像。失われた肖像彫刻を絵像などを参考にして復刻するという困難な作業ながら、流麗な衣文処理と玉眼の採用による個性的で生々しい顔貌などにより、歴史上実在した僧侶が迫真的に再現された。古代彫刻の復興と写実への指向という鎌倉彫刻の造形理念が見事に体現された彫像。


重要文化財 四天王立像のうち 多聞天」 像高 198.0cm
(1)康慶
(2)1189(文治5)年
持国天、増長天、広目天とあわせて四天王と呼ばれる。
左手に戟、右手に多宝塔をかかげ、邪鬼を踏みつけて立つ。

須弥壇の四隅に安置されて如来や菩薩を守る天部像。この四天王像は現在では仮金堂に安置されているが、黒眼に表から異材を嵌入する手法は康慶作の南円堂不空羂索観音菩薩坐像と共通し、また、一乗寺本南円堂曼荼羅図に描かれた四天王像と細部まで一致することなどから、南円堂の四天王像であったと論証されている。


<春日社寺曼荼羅の世界>

「春日社寺曼荼羅図」 166.3×58.0cm
(1)?
(2)南北朝時代 14世紀
福岡市立美術館蔵(松永コレクション)
8月23日〜9月11日まで展示

画面上部に春日社とその本地仏(右から若宮の文殊菩薩、一宮の釈迦如来、二宮の薬師如来、三宮の地蔵菩薩、四宮の十一面観音)を描き、画面下部に興福寺の安置仏を配する。社景には中院の影向(ようごう)杉、一の鳥居付近の影向松など春日曼荼羅の定型モチーフを取り入れている。表具は描表装で、藤原氏ゆかりの「ばら藤巴」紋がちりばめられている

<解脱上人貞慶の事蹟>

重要文化財 明本鈔」 巻第13:31.5×1099.0cm
(1)覚遍・良算書写
(2)鎌倉時代、1212(建暦2)年
解脱上人貞慶の仏教における論理に関する選述書。弟子の覚遍・良算が代筆したもので、巻第十三には建暦2(1212)年の貞慶自筆の奥書がある。

因明(論理学)について著した貞慶の代表的な著作。病のため弟子の良算に代筆させ、貞慶の没する直前の1212(建暦2)年11月1日に完成した。
本書は一乗院門跡相伝の秘本であり、上帙(巻第1〜7)は覚遍の書写、下帙(巻第8〜13)は良算が代筆した原本で、巻第13の奥書、下帙各巻の外題及び見返しの問題目録は貞慶の自筆である。

<興福寺をめぐる絵画−南都絵所の展開>

重要文化財 厨子入り吉祥天倚像」 像高64.3cm
(1)寛慶作、厨子絵 命尊筆
(2)南北朝時代 1340(暦応3)年

台座裏の墨書銘から作者は仏師寛慶、絵師命尊であると分かる。像は檜の一木造で、像内に種字曼荼羅と五穀・五宝が納入されていた。厨子は両扉裏に梵天・帝釈天、奥壁には七宝山・白象を描き、像とあわせて『陀羅尼集経』に説かれる吉祥天曼荼羅を立体的に表す。像の彩色と厨子絵を担当した絵師命尊は、当代を代表する南都絵所座の絵師である。


<法相教学とその図像>

「奈良県指定文化財 法相曼荼羅図」 126.5×79.0cm
(1)?
(2)室町時代 15世紀

法相曼荼羅図は法相宗の祖師・弥勒菩薩を中尊に据え、その周囲に法相宗の祖師を配し、法相宗における師資相承の系譜を示す。本図では、弥勒菩薩の周囲に無著菩薩や慈恩大師、行賀などインド、中国、日本の法相教学を伝承した16人が描かれる。中世以降、南都絵仏師によって数多く制作され、法相教学の一大拠点であった興福寺および関連寺院に流布した


重要文化財 成唯識論」 巻第1:25.1×686.0cm
(1)?
(2)平安時代、12世紀
インド大乗仏教の論書で、玄奘らが漢訳した。
唯識思想を集大成した法相宗の根本経典。

『成唯識論』は世親の主著『唯識三十頌』に対する護法らの註釈を唐の玄奘が編集、漢訳したもので、法相宗の根本聖典である。
本巻は平安時代末期のもので、紺紙に銀界を引き、金泥で書写する。平安時代後期の紺紙金字経は多数伝来しているが、表紙や見返しに金泥の図柄を施した綾や紗などの裂地を用いた例は珍しく、当時の装飾経の遺品として貴重である。


重要文化財 慈恩大師像」 242.0×124.4cm
(1)?
(2)平安時代 12世紀

慈恩大師は中国唐代の高僧で、玄奘三蔵の弟子となり、玄奘がインドから請来した経典の翻訳事業に携わった。また、玄奘が持ち帰った法相教学を体系化したことにより、法相宗の宗祖と敬われる。興福寺や薬師寺では、平安時代から大師の忌日11月13日に慈恩会を行ってきた。興福寺大乗院に伝来した本図も、慈恩会の本尊画像として懸け用いられたもの。



<中金堂再建へむけて>

国宝 中金堂鎮壇具 銀製鍍金唐花文鋺」 高3.3、径9.4〜9.7cm
(1)?
(2)奈良時代
鎮壇具は堂塔の安泰を願い、地の神を鎮める儀式で埋納される。
供養具、刀剣、玉、金銀貨幣、鏡類など数多くの種類が中金堂基壇から発掘された。

堂塔の安泰と永続と願って地の神を鎮める祭事で埋納された。中金堂鎮壇具は金銀銭貨類、珠玉類など約40種類、1400余点ある。出陳の鎮壇具は1884(明治17)年に発見され、創建時に埋納されたと考えられる。
本作品は表面に唐花文を線刻し、細粒を凸起させた魚々子(ななこ)で地を埋めて飾る。


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