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2011年12月31日10時6分

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10日間でiPS細胞できた 大人の細胞活用 京大開発

 人の脂肪の細胞から10日間で人工多能性幹細胞(iPS細胞)をつくる技術を、京都大再生医科学研究所のグループが開発した。大人の細胞では世界最短で、従来の半分以下。コスト削減にもつながる。米医学専門誌で発表した。

 再生研の中村達雄准教授らは、皮下脂肪に含まれる脂肪幹細胞からiPS細胞をつくる際、通常使う遺伝子のほかに5種類の薬を加えて、酸素の濃度を5%と薄めにした。すると、6日目でiPS細胞と同じ丸い形に変わり、10日目に、iPS細胞になったことを示す現象を確認した。

 薬剤は、細胞が分化するのに働く酵素をじゃまする作用がある。低酸素状態もiPS細胞づくりを速める。できそこないの細胞が生きにくくする効果もあり、iPS細胞とより分けるのにも役立つ。

 実験を担当した大学院生の島田英徳さんは「iPS細胞をつくる培養液はとても高価。作製期間が縮まり、コストが下がる」。

 iPS細胞を皮膚の細胞からつくるには1カ月以上かかっていた。昨年、慶応大グループが血液中のリンパ球で25日という最短記録を出した。(鍛治信太郎)

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