谷村新司、上海音大の学部長
歌手谷村新司(54)が2日、都内で会見し、来年9月から中国・上海音楽学院に新設される現代音楽学部の常務学部長に就任することを発表した。同学院は中国でもっとも歴史がある国立音楽大学。谷村はプロデュース業を中心に教えていく予定で「日本の若いアーティストたちとの交流も仕掛けていきたい」と意欲をのぞかせた。日本の芸能人が海外の大学で講義するのは初めて。
谷村が中国の名門音楽大学で講義することになった。2日、東京・赤坂のユニバーサルミュージックで、セルフ・ベストアルバム「アリガトウ」(3日発売)の記者発表を行い、その席上で明らかにした。音楽プロデュースを中心に教えていくが「自分が話すことで、一緒に何かをつくることができれば最高。日本の若いアーティストたちとの交流も仕掛けていきたいと思っている」と話した。
同音楽学院から常務学部長就任のオファーを受けたのは、02年4月ごろ。半年間悩んだが、学院長から「音楽的な部分を教えてほしい」と熱烈なラブコールを受け、講義するをとることを決意した。
谷村と中国とのかかわりは深い。アリスのメンバーだった81年に日中国交化10周年記念コンサートに出演。以来、中国でコンサートを何度も開催している。「昴」などのヒット曲も現地で人気だ。「信頼関係を築いてきたとは思っている。外国人にそんな話があるとは思わなかったのでうれしいですね」と素直に喜んだ。現代音楽学部は9月から新設されるが、来年春ごろからカリキュラム作成などに参加していくという。
今後は日中音楽交流に専念する。先月終了した全国ツアー「句読点」を最後に、31年間続けてきた国内ツアーをやめるという。この日は中国の国民的歌手・毛寧(35)をプロデュースしていくことも発表。谷村のカバーアルバムを来年にも中国全土でリリースする予定だ。「歌はもちろん続けますが、今までやれなかった仕事にしばらく没頭したい」と話している。
[2003/12/3/08:56 紙面から]
写真=来年から中国・上海音楽学院で教べんを取ることを発表した谷村新司(左)。右は中国人歌手の毛寧
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