お笑いタレント、スマイリーキクチさん(37)のブログのコメント欄(らん)に、スマイリーさんを傷つけるような書きこみをしたとして、十七歳(さい)から四十五歳の男女十九人が警察や検察庁の調べを受けました。
ブログはインターネットの日記のようなページで、それに感想や意見を書きこむのがコメント欄です。
ブログに文章や写真をのせれば、たくさんの人に自分の日常や考えを知ってもらえます。でも、その行動や発言が問題だという意見がコメント欄に次々に書きこまれ、炎上(えんじょう)という状態になることもあります。燃え上がるという意味で、これまでもいくつものブログが炎上し、ブログをやめるしかなくなっています。
スマイリーさんのブログも炎上状態になりました。警察の調べによると、スマイリーさんが二十年以上前に起きた殺人事件の犯人だとするうその書きこみのほかに、それを信じて「殺してやる」「人殺しがなんで芸人をやっているんだ」と書きこんだ人もいました。
書きこんだ人たちは「罪になるとは思わなかった」と答えているそうです。でも殺人事件の犯人だと書かれたら、その人の名誉や信用はがた落ちなので、刑法(けいほう)の「名誉棄損(めいよきそん)」という罪になります。「殺す」とおどすのは「脅迫(きょうはく)罪」です。検察庁が罰(ばっ)するべきだと判断したら、裁判にかけられます。
全国の警察のまとめ役である警察庁によると、ネットで他人から傷つけられたという相談は、二〇〇三年に約二千六百件だったのが、去年は約八千八百件。五年間で三倍以上に増えました。
ネットでは、相手の顔を見ず、声も聞かず、自分の名前も出さずに発言できます。自由に書けるのはいいのですが、いいかげんになったり、言葉が激しくなったりしやすい。同じ人間として相手を大切にする気持ちを失わないようにしなければなりません。
(掲載日:2009/02/22) |