不思議と合う絵本と曲　「ねずみくん」とセカイイチ　

タイアップしたなかえよしをさん（右から３人目）上野紀子さん（同４人目）と「セカイイチ」のメンバー＝東京都内

　神戸出身の絵本作家、なかえよしをさんのロングセラー作品「ねずみくん」シリーズが、音楽とのタイアップで再注目されている。四人組バンド「セカイイチ」が、絵本と曲を組み合わせたプロモーション・ビデオ（ＰＶ）を制作。曲を通じて絵本のファンも増えているという。（永見将人）

　シリーズは妻の上野紀子さんが絵を手掛け、一九七四年から二十五作品を刊行。累計発行部数は四百七十四万部に上る。

　タイアップした「ねずみくんのプレゼント」は誕生日に贈った風船をめぐる心温まる物語だ。セカイイチ側がオリジナルのバラード曲「ぷれぜんと」と「世界観が合う」と、なかえさんに企画を持ちかけた。作詞作曲の岩崎慧さんは「初めて愛情というテーマを前面に出した」という。

　曲の配信が始まった昨年十一月から、ＰＶのダイジェスト版をインターネット（http://www.myspace.com/sekaiichi）で放映。なかえさんが「不思議なほど合っている」と驚く作品になった。ライブなどでも絵本が紹介され、ファンの間で話題に。出版元のポプラ社の国本由香さんは「ライブ会場の絵本は毎回ほぼ完売。社に届く手紙も倍以上に増えた」と、タイアップの効果を話している。

(2/24 08:26)