(3)適度な運動で血流改善
血管年齢を若返らせる方法に「有酸素運動」がある。ゆっくり時間をかけて、筋肉を動かす運動のことで、ジョギング、水泳などが一般的だ。酸素が筋肉に行き渡り、エネルギー源として脂肪が燃焼されるので動脈硬化の予防に良いとされる。
「適度な運動は血流を改善する効果がある」と語るのは、鈴鹿医療科学大学教授の高田晴子さん。手足を使う簡単な運動を65歳の女性に7分間やってもらったところ、運動前81歳だった血管年齢が、運動5分後の測定で63歳まで改善したという。血流が良くなったことで、血管がやわらかくなったと見られる。
高田さんが指導した運動は、血流が滞りがちな部分に血液を送る「血液循環体操」。体操指導者の二村ヤソ子さんが考案した。たとえば、イスに座った状態で、〈1〉ひざの上に両手を置き、肩を上下に揺する〈2〉手を組んで腰を回転させる〈3〉足裏で床をたたくように両足を上げ下げする――などだ。それぞれ背中、腰、足裏の血流をよくするものだ。高田さんは「運動をする上で大切なのは、無理をしない、継続すること」と話す。
大勢で、楽しみながら体を動かすのも一つの手だ。高田さんと共同で高齢者に運動指導を行う名古屋市のマッサージ師、山口幸子さんは「仲間と楽しくウオーキングを行うのが良い」と勧める。
仲間がいると、日課として続くほか、話しながら苦しくない程度のペースで、無理なく歩けるのがメリットという。「歩幅を広くとり、速歩きを心がけ、腕を大きく振る。外気に触れてさわやかな気分になる」と語る。
健康講座では、温水プールでの歩行や10分程度の踏み台昇降、ボールを使った簡単なストレッチ運動などもある。まずは試してみては。
(2009年2月27日 読売新聞)