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東播磨

ホームレス「ゼロ」のはずが…死者相次ぐ 高砂市 

 昨年末から今年1月にかけて、高砂市内でホームレスの男性2人が死んでいるのが相次いで発見された。いずれも厳しい生活環境が命を奪ったとみられるが、厚労省の委託を受けた高砂市の調査では、同市内のホームレス数は「ゼロ」。東播地域には民間の支援団体もなく、支援の手は届かなかった。専門家は「実態を把握した上で、再発防止を急ぐべきだ」と指摘する。(大成絢子)

 昨年十二月三十日、高砂市神爪の加古川バイパス高架下で、散歩中の住民が死亡している男性を発見。高砂署の調べで、鹿児島県生まれの男性(79)と判明した。検視の結果、死因は循環器の疾患、死亡推定は一日前とされた。ねぐらには、空き缶拾いなどで稼いだとみられる現金八千九百三十一円が残されていた。

 一月二十八日にも、高砂市阿弥陀町魚橋の川に架かる橋の下で、男性が死んでいるのが見つかった。

 現場は、交番勤務の巡査部長(54)が月に一度見回っていた。同日午後三時半ごろ、巡査部長はいつものように「出てこいよ」と声を掛けた。寒波到来を受け、靴下を持ってきていた。男性が姿を見せないため、ねぐらをのぞくと、すでに冷たくなっていた。行政解剖の結果は凍死、二日前に死亡したと推定された。

 ポケットには数円しかなく、身分証明書などもなかった。身元確認の手がかりは、巡査部長が男性から聞いた身の上話。大手企業に勤めたがばくちで借金し、家に帰れなくなった。市内に妹がいる-。高砂市出身の男性(74)と分かり、妹に引き取られた。

 厚労省は二〇〇三年から、すべての市町村に委託して「ホームレスの実態に関する全国調査」を実施。高砂市が昨年一月に行った調査では、市内のホームレスは「ゼロ」だった。

 死亡した二人は、数年前から現場周辺に住んでいるのを住民らに目撃されていた。一方、高砂市の実態調査は、年一回一日のみの巡回による目視。調査日時に接触できなければ、カウントされないという。加古川市では、今年一月の調査で加古川河川敷などに約三十人が確認されている。

 姫路の民間支援団体「路上生活者ふれあいサークルレインボー」の武田英樹代表は「行政は目視調査に漏れがあったことを認め、現状を洗い出す責任がある。ホームレスの人を発見した場合の、自立支援策の確立にも務めるべきだ」と指摘。東播地域に支援施設・団体がないことを受け「行政と警察が情報を共有するなど連携を深める必要がある」と強調する。

(2/28 12:25)


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