これぞアクション映画だ。世界的アクションスターのジャッキー・チェンが、新作「シャンハイ・ナイト」で、もうすぐ５０歳になる男とは思えない、激しいアクションを見せてくれる。

　映像技術の向上にともない、ＣＧで派手なアクションシーンを“創って”いる作品が主流となっている映画界で、ジャッキーは、体当たりアクションを展開している。多人数を相手にしての大立ち回り。ジャッキー映画の醍醐味でもある、傘やレモン、はしごなど日常品を使っての格闘など“本物”のアクションが満載。ジャッキーの生身のスタントは健在だ。

　６０本以上の映画に出演しているジャッキーだけに、「ここ数年ではボクにもＣＧを使った作品はある。今は変わった映画を撮るのに、ＣＧが必要になっているからね」とＣＧ映画の価値観に理解は一応示した。

　それでも、「今までの自分の作品ですべてが良かったわけではない。自分の気に入らないものもあるよ。この作品と『タキシード』を比べてどう思う？『シャンハイ−』の方が面白いでしょ。そして今、撮影中の映画も“ジャッキー・チェンスタイル”に戻っているんだ」とニヤリ。

　昨年３月に日本で公開された自らのＣＧ作品を引き合いに出し、あえて自らの口でそれをバッサリと斬った。ライバル意識むき出しで、現代のＣＧ全盛の映画界に“挑戦状”を叩き付けた格好だ。

　ジャッキーと同世代のアクション俳優の多くは派手なＣＧ映像に頼ったものや、ストーリー性を重視した作品へ“路線変更”した。それでもジャッキーは体ひとつで戦っている。

　だからこそ「ボクのハリウッドの作品の中では今回が１番面白い。撮影で自由にやらせてもらったからね。要求していたコトができたよ」と満足の笑顔。来年は映画出演３０周年の節目を迎える。強く、楽しいジャッキーのカンフーは衰え知らずだ。

　

■ストーリー 　１８８７年の英国が舞台。中国の王の証である「皇帝の龍玉」が謎の英国人グループに盗まれた。盗んだグループは英国の王位継承を狙う一味で、この龍玉と引き換えに、清を追放された王族が英国ロイヤル・ファミリーを暗殺。お互いに王位につく、という陰謀だった。一族が１２代に渡り龍玉を守ってきたチョン・ウエン（ジャッキー）は妹のチョン・リン（ファン・ウォン）、相棒のロイ・オノバン（オーウェン・ウィルソン）とともに龍玉を取り戻し、陰謀を阻止しようと立ち向かう。

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