非正規労働者を支援　神戸に「一日派遣村」　

コメの支給に長い列ができた一日派遣村＝神戸市中央区加納町６（撮影・笠原次郎）

　仕事や住まいを失った非正規労働者らを支援する「神戸一日派遣村」が二十日、神戸市中央区の東遊園地に開設された。この日は、八府県で一日だけの派遣村が設けられるなど、同様の支援活動が全国で取り組まれた。

　兵庫労連などでつくる「格差社会を是正する共同闘争実行委」の主催。

　かす汁など三百食分の炊き出しは正午の開始から約一時間でなくなり、約八十人が雇用や生活保護の受給方法について、弁護士や労組メンバーに相談した。また、神戸女子大の松崎喜良准教授が講演し「働いても貧困状態を脱せないワーキングプアが増えている。国はセーフティーネットを再構築すべき」と指摘した。

　派遣先の大手製造業の下請け会社で労働組合を結成し、昨年末、突然契約を解除された神戸市内の男性(４０)は「まじめに働いている人間を消耗品のように扱う企業は許せない」と訴えた。派遣先の工場との雇用契約が三月末で終わるという加古川市の男性(２８)は「雇用保険に入っておらず、将来が心配。不況の中、次の仕事が見つかるかどうか」と不安そうだった。（木村信行）

(3/20 20:16)