経済
環境、財源に不安も… 本四道路の料金値下げ
高速道路料金の大幅値下げが始まり、行楽客の車で混雑するサービスエリア=20日午前10時41分、淡路サービスエリア(撮影・斎藤雅志) |
20日、高速道路料金の値下げが始まった神戸淡路鳴門自動車道。交通量は前年の倍となり、ドライバーからは「気軽に旅行できる」と歓迎の声が上がった。一方「本当に景気対策になるのか」と冷ややかな声も。終日にぎわった淡路市岩屋の「淡路サービスエリア(SA)」で利用者らに聞いた。
明石海峡大橋を望む淡路下りSA。朝から約五百台の駐車スペースが埋まり、一時は駐車待ちの車列ができた。SAの飲食店店長川上輝夫さん(52)は「売り上げは、いつもの連休初日より三、四割増。ゴールデンウイーク並みの忙しさです」と笑顔を見せた。
利用者の多くも値下げには「賛成」。尼崎市の会社員井上弥生さん(45)は「これまで道路料金が高く、淡路旅行を考えなかったが、これからは気楽に来られそう」。川西市の病院職員元山雄太さん(24)は「千円になるなら九州に行ってみたい」と話した。
神戸に行く途中だった愛媛県新居浜市の会社員林英樹さん(43)も「これまでフェリーを利用していた。道路の混雑は心配だが値下げはうれしい」と語った。
一方、値下げの仕組みが複雑な点や、対象が自動料金収受システム(ETC)搭載車に限定されたことなどには不満の声が多かった。
「どんなルートでも千円だと思っていた」とは神戸・三宮に向かっていた高松市の会社員泉田進一さん(21)。「区間によって割引率が違ったり、橋は別料金だったり、と分かりづらい」と首をかしげた。篠山市の主婦小林美穂子さん(35)は「ETCを付けなくても割引してほしい」と訴えた。
友人と高知県に行くという伊丹市の自営業中野和平さん(66)は「なぜ安くできるのか、財源を示すべき。ほかの交通機関への影響を考えると景気対策としても疑問」。加古川市の自営業長谷川員之さん(41)は「安くしたツケは、いずれ消費税率アップでまかなうのでは」と不安を口にした。
「環境政策を進める政府が、環境への負荷の大きいマイカー利用を勧めているようで矛盾を感じる」との声もあった。(川口洋光、大月美佳、金慶順)
(3/21 09:59)
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